インターナショナルスクールの選び方


1.教育方針が自分の子に合うか、きちんと見極める

当然ですね。日本の学校に通う場合でも同じ。説明会に参加したり、学校見学をおこなったり、学校関係者の話をよく聞いたりして、後悔のないように選びましょう。

 

2.まちがってナショナルスクールを選ばない

ナショナルスクール(民族校)というのは、特定の国の子どもたちが通う学校です。帰国後、祖国にすんなり溶けこめるようにすることを目的に運営されています。中華学校やドイツ学校、朝鮮学校などが代表的ですね。

 

これに対し、インターナショナルスクール(国際校)は、子どもの国籍を問いません。米国の教育カリキュラムをとりいれている施設が多いですが、なかには米国と英国とカナダなど複数国のカリキュラムのいいとこどりをしている施設もあります。

 

ちなみに、米国人向けのナショナルスクールなどでは、教育カリキュラムがインターナショナルスクールと大差ないケースもあり、日本人の入学希望者を受けいれる施設もあります。

 

3.教育カリキュラムと教育レベルをチェック

インターナショナルスクールは、日本の法律の規制を受けていませんから、教育カリキュラムは独自裁量にゆだねられています。

 

しっかりした教育理念をもち、優秀な教員をそろえ、一人ひとりの子どもに合わせた丁寧な指導によって、個々の能力をひきだしてくれるところもあれば、設備がイマイチで、教員資格のない外国人を集めてテキトーな授業をおこなっている、駅前留学と大差ない施設もあります。

 

目利きが必要です。

 

4.英語力不問のスクールはやめる

インターナショナルスクールは通常、入学条件として「海外現地校で3年以上在学したレベルの英語力」を挙げています。

 

なかには英語力を問わないインターナショナルスクールもあるのですが、英語力に自信がないからといって、そういう施設に飛びつくのは早計です。英語力がない生徒に合わせて授業をおこなっていますから、全体的な英語レベルや学習レベルがどうしても低下してしまうと指摘されています。

 

5.日本人生徒が多いスクールはやめる

インターナショナルスクールは本来、海外赴任者の子どもたちのための施設。普通は、日本人生徒の数に制限を設けています。昨今は、地震や原発事故などの影響で、日本に住む外国人人口が減っているようですが、そうはいっても、評判のいい施設では、毎年一定数の入学希望者が見込めます。

 

となると、日本人枠に制限のないインターナショナルスクールなどは、国際校としての体面より、経営優先だ、という見方ができます。実際、日本人生徒が半数以上を占めるようなスクールでは、外国人からあまり信頼されていないところも少なくないといいます。

 

それに、日本人ばかりのスクールだと、友だちと普通に日本語で会話が成り立ってしまうため、期待どおりの英語力が身につかない心配もあります。

 

★例外もある

LCA国際小学校ただし例外もあるようです。

日本人向けに設立されたインターナショナルスクールというものもあります。たとえば、LCA国際小学校では、日本の学習指導要領をベースにした独自カリキュラムを採用。バイリンガル児童を育てることに軸足を置いています。

 

日本の小学校と同程度の教育が受けられるうえに英語力が身につくとあって、評判が高いようです。文科省から認可を受けていますから、一般的な無認可のインターナショナルスクールとは毛色がちがいますが。ご参考までに。

 

6.なるべく老舗を選ぶ

最近、新興校がたくさんできていますが、50年100年という伝統をもつ老舗校はやはり安心です。長い歴史があるということは、それだけの信頼と実績を獲得してきたことのあかし。設備も整っています。卒業生の活躍ぶりをみれば、教育レベルの高さを推しはかることもできます。以下へ、関東の老舗をいくつかご紹介しておきます。

 

★西町インターナショナルスクール

東京・西麻布の老舗。1949年設立。幼稚部から中学部まで。創立者は、元総理大臣の松方正義の孫、松方種子さん。日本人です。それだけに、英語だけでなく、日本語も使用して授業を実施。この独自カリキュラムに定評があります。関根麻里さんはここの出身だそうです。

 

★セントメリーズインターナショナルスクール

東京・世田谷にある老舗校。1954年創立。幼稚部から高校部まであります。約60か国の子どもが通う。文科省から大学入試資格の認定をもらっています。東大、慶応、早稲田への進学実績も。男子校です

 

★聖心インターナショナルスクール

東京・広尾にあるカトリック系女子校です。聖心女子学院が運営しています。幼稚部から高校部まであります。創立は1910年。50か国近い国籍の子どもたちが机をならべています。出身者に、幸田シャーミンさん、リサ・スティッグマイヤーさんなどがいます。

 

★アメリカン・スクール・イン・ジャパン

東京は調布にある1902年創立の伝統校。幼稚部から高校部まであります。六本木にも校舎あり。40か国以上の生徒約1400人が在学。体育館3棟など設備が充実。厳密にはナショナルスクール(民族校)。日本人の受け入れは、帰国子女中心。卒業生は、宇多田ヒカルさん、ジョン・カビラさん、早見優さん、青山テルマさんほか。

 

 

7.国際的な評価団体の認定がある学校を選ぶ

インターナショナルスクールは、日本の学校教育法で定められた学校ではありません。だから、小学部や中学部を卒業しても、日本の小中学校の義務教育を履行していないとみなされたり、高校部を出ても大学受験資格が得られないことがあります。

 

その点、次のような国際的な評価団体の認定を受けたインターナショナルスクールを選んでおけば安心。卒業すれば、国際バカロレア資格(万国共通で使える大検のようなもの)が得られるからです。先に紹介したスクールはすべて、認定を受けています。

 

WASC(Western Association of Schools and Colleges)

CIS(Council of International Schools)

ECIS(European Council of International Schools)

ACSI(キリスト教学校国際協会)

IB(国際バカロレア機構)

インターナショナルスクールによっては、評価団体からの認定を受けていないのに、さも受けているかのようにふるまうところもあると聞きます。上記リンク先で、日本国内の認定校が確認できますから、怪しいようなら自分の目でチェックしてみてください。

 

出典: こどもブログ