子供の教育費はいくら必要なのか?


「子供の教育費に(最低限)いくら必要なの?」これは、全ての子育て世代が直面する疑問です。私も昨年一児の父となり、育児費(中でも子供の教育費)は、家計や資産運用を考える上で非常に重要だと再認識しました。

本記事では、子供の教育費に関して、教育課程別、私立・国公立別に解説します。育児費用の大半を占める子供の教育費を知ることで、将来の資産形成(投資・資産運用)はもちろんのこと、大事な家族の未来、子供の未来をしっかりプランニングしていきましょう。

 

 

「子どもにかかる教育費は1人1000万円以上」という噂は本当か?

 

結論から述べると、教育費は子ども1人当たり1,000万円とは限りません。

 

国公立か私立か?

大学に進学するか?

理系か文系か?

などの選択によって必要な教育費が、大きく変わります。それでは、それぞれの教育課程別に教育費のをみていきましょう。

 

★教育費の半分は、大学修学のためにかかる費用

まず学費を考える上で重要なことは、(1)幼稚園→小学校→中学校→高等学校過程、(2)大学過程を分けて考える点です。

平均的な大学の教育費は、幼稚園から大学までのトータル教育費の半分を占めています。また、大学後は大人として経済的に自立する上で重要な期間でもあります。そのため、(1)と(2)の過程のを分けて、教育費を考えましょう。

 

★幼稚園から高等学校までの教育費

はじめに、幼稚園から高校までの教育費を考えます。以下の表は、それぞれの教育過程(公立・私立別)の平均の教育費です。幼稚園は3年間として計算しています。

     公立 [万円] 私立 [万円]

幼稚園 45     110.1

小学校 58.2    517.2

中学校 50.4    300.3

高等学校 69.3   216.6

合計   222.9    1,144.2

 

幼稚園から高校まで各教育課程毎の教育費(給食費も含む)概算費 [万円]。

この表から分かるように、幼稚園から高校まで、

 

全て公立を選んだ場合(最も教育費が安い):約223万円(月平均:約1.2万円)

全て私立を選んだ場合(最も教育費が高い):約1,144万円(月平均:約6.4万円)

となります。全て公立を選んだ場合、月平均の教育費は約1.2万円ということがわかります。

また、幼稚園や高校は私立と公立の学費の差が少ないのに対して、小学校や中学校はその学費の差が大変大きいことがわかります。小学校は修学期間が長いため、小学校で私立を選ぶか?公立を選ぶか?で、学費を大きく左右します。

 

 

★馬鹿にならない学校外活動費

上の結果を見て、教育費が想像以上に安いと思われた方もいるかもしれません。しかし、上で示した教育費は、学校教育費と給食費の費用しか含まれていません。教育費には、これらの他に、お稽古事や学習塾などの学校外活動費がかかります。

以下の表は、教育課程別の平均学校外活動費です。平均的にみると、学校教育費よりも学校外活動費が高い時期があるようです。

  公立 [万円] 私立 [万円]

幼稚園 24.3    36

小学校 125.4  336

中学校 84.9   88.2

高校   46.8    73.5

合計   281.1  533.7

 

 

★教育課程別の学校外活動費

子どもの将来を考えると、子どもの可能性を伸ばしてあげたいなどと考え、様々なお稽古事や学習塾に子供をいかせてあげたくなります。しかし、家計を考えると、際限なくかけられるものでもない。学習塾代にお金をかけ過ぎて、せっかく合格しても進学のためのお金が無いとなれば、本末転倒です。

子供の教育費はここまで!と決めて、その範囲で子どもがやりたいこと、やるべきことを選択させることが、親として必要となってきます。しっかりとした教育方針を決めておくことが重要となります。

 

★学校教育費と学習塾費のバランスを考える

上述のように、教育費は際限なくかけられるものではありません。そのため、学校教育費と学校外活動費のバランスをよく考えて、お稽古や学習塾に通わせることが重要なポイントとなります。

例えば、「学校は公立に行かせるかわりに、学習塾に通わせよう」や、逆に「学習塾は通わない代わりに、学習環境が整っている私立に通わせよう」など、バランスを考えて、学校教育費と学校外活動費を考える必要があります。

大変難しいバランスでもありますし、子供がやりたいことを全てやらせてあげたい親心もあると思いますが、子供も含め家族の将来のためしっかりと考える必要があります。学校外活動費を含めた教育費に関しては、会社の経営方針ならぬ、家族の家計方針・教育方針をしっかりと練る必要があります。

 

 

★大学の教育費とその考え方

冒頭で述べたように、大学にかかる教育費は、子供の教育費の中で最も高いウェイトを占めるものです。大学の4年間でかかる教育費は、

 

国公立平均:約258万円

私立平均:約338万円

となっています。幼稚園から高校までの教育費と比べると格段に高額となります。

大学教育費を劇的に減らす方法として、大学以降は、子供に独立させるという手段があると思います。いきなり大学入学時から子供に任せるのはさすがに刻ですので、入学金と1年目の授業料は出すなどして、段階的に独立させていくのが良いでしょう。

もちろん学業に子供を集中させるため全額支給しても良いでしょうが、親から早く独立して、自分で生活費などを工面することを覚える方が、将来金銭感覚の良い大人になれると私は考えます。大学での勉強に支障を来す程、完全に突き放してしまうのは少々無責任ですが、家計のため、また将来の子供の自立性のため、大学入学後は、子供を経済的の独立させるための工夫が必要だと考えます。

私自信、大学院入学まで、親の懐に頼っていたため金銭感覚が鈍い面があり、大学時代から自立しておくべきだったと何度も思いました。自分の反省も含めて、よく子供や妻とも話し合って、大学の教育費などは決めていきたいと思います。

 

★本記事のまとめ

子供の教育費を把握し、家計や教育の方針をあらかじめ決めておくことが重要。

教育費は、「幼稚園から高校まで」と「大学」の二つに分けて考える。

幼稚園から高校までの期間は、学校外活動費も大きな出費の1つ。

学校教育費と学校外活動費のバランスが、教育費全体を考える上で重要。

大学の教育費は、子供・家族とよく相談した上で、子供の自立も考え、支出額を決めると良い。

私の息子はまだ0歳です。教育費がかかるのはまだ先です。しかし、今のうちから教育費と合わせて子供の教育方針などを練っていきたいと思います。本記事が、他の子育て世代の方の手助けになれば良いなあと思っています。

今後も父として、一個人投資家として、子育て関連の金銭事情について記事にしていこうと思います。

 

【参考】本記事の作成に際して、以下の文部科学省の調査結果を参考に致しました。

 

平成24年度「子供の学習費調査」

平成25年度「私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査」

平成26年「学生納付金調査結果」

 

出典: インデックス投資で資産運用